「僕は今回、ラブレターを書いた」

ついに念願が叶いました。
結成当初から台本を担当していた僕は、次回公演の企画会議があるたびに、
「次はひらりの男5人(当初は4人)だけでやりたい」って、言い続けていたんです。
だけど、制作的な人員のことや、観客動員、いろいろな役者さんと競演してみたい、等、諸々の事情で、なかなか実現化できませんでした。

今回。
ひらりと僕が出会って10年目。
作品の数で言うと、8本目。
とうとう、思いが伝わりましたよ。
僕はね、もう、嬉しくってしょうがない。
「ひらり」を何度か見てくれているお客さんの中には、僕と同じ思いを持ってた方もいるんじゃないでしょうか?
男5人だけの、濃い、これぞ「ひらり」っていう舞台を見たい、って。
期待に応えるべく、僕は、まるで好きな女性に恋文を書くような気持ちで、戯曲を書き連ねました。

思い入れが強い分、巧みな伏線や、計算した笑いは少し影を潜めたかもしれません。
でもね、「ひらり」に対する、一つの「集団」に対する、「仲間」に対する、熱い思いはふんだんに溢れているはず。
まるで20代そこそこの作家が書いたようなホンだ。
なんて、言われるやもしれません。
でも、それがどうした。
僕は10年前から、「ひらり」でこういうのがやりたかったんだ。
チャンスを得た今、少しくらい、わがまま言ったっていいじゃない。
今、客席で、僕自身、一番ドキドキしながら、彼らからの返事を待っているところなんです。
10年越しの恋、実れ!

ひらり、空中分解。 脚本家 金津泰輔

  Photo フライヤー