10年間・・・。

タイトル通り自分の10年間を振り返ってみた。
演劇ライフのみに限っていえば、この「ひらり」に参加したり、地元で「劇団湘南アクトステージ」を立ち上げたりと、いろいろなことがスタートした期間だった。また他劇団やユニットの演出などの活動も始まり、本来俳優であるにもかかわらず、実にこの間30本以上の作品の演出をしていた。そしてその約半数が金津作品であり、坂本はなんと20作品に出演している。
人と人の縁というものは実に不思議なものだと思う。「なぜこの人と知り合いになったんだろう・・・」とか、「あの時この人に出会わなかったら・・・」など、ことあることに感じる。

「ひらり」のメンバーと初めて出会ったのもちょうど10年前だ。まだ彼らが芝居を始めた頃で、まさかこのメンバーがユニットになるとは、そしてその演出家としてこんなにも関わるようになろうとは、全く予想していなかった。そのおかげで脚本家金津氏と知り合うことができたし、またお互いの交友関係も広がってきている。仕事やプライベート以外でこんなにも人間関係を深められるのが集団芸術・演劇の素晴らしさのひとつなのだと実感する。その辺は今回題材にしたバンド活動と似ているかもしれない。金津氏もそれを意識したのだろうか、設定と彼ら自身が多少リンクする。この5人だからこそ出せる空気が確かにそこにあった。劇中の台詞にもあるが、10年前彼らが出会ったのは奇跡かもしれない。

そして10年後・・・。
きっと想像もできない結果になっているに違いない。

ひらり、空中分解。 演出家 郷田ほづみ

  Photo フライヤー